家賃の支払いについて
(1)部屋を借りるとはどういうこと?
人からものを借りるとき「、どのくらいの期間、いくらで、どのように使うのか」 などをあらかじめ決めることがあります。部屋を借りる場合も、借主(あなた)と 所有者である貸主(大家さん)との間で、「契約期間2年間、賃料月々5万円、居 住用として使用」などと約束ごとを決めます。これを賃貸借契約といいます。
(2)家賃を支払わないと…
家賃は、毎月決まった金額を大家さんに支払うことを約束して入居しているわけですから、支払わ ないでいると遅延損害金が発生したり、大家さんから「契約違反だから出ていってください」と言われ ることになってしまいます。
契約書、カギの保管
賃貸借契約書には、借主(あなた)と貸主(大家さん)が交わした約束ごとや入居中の生活ルールが 書かれています。特にペットの飼育やピアノ等の使用が制限されている場合がありますので注意しま しょう。
また、カギはあなたがその部屋の入居者である証明ですし、あなたの財産を保護し、プライバシー を守ってくれる大切なものです。家族以外の知り合いなどにむやみにコピーを渡したりすることはや めましょう。
入居時の物件確認
入居する部屋にキズや汚れがあるかどうかを入居前に確認しておきましょう。あなたと大家さん(賃 貸管理業者など)が現地で立ち会って確認し、入居時の物件状況確認書を作成し、退去時に原状回復をする際の基にします。
ライフラインの利用手続きと転入・転出届
電気・ガス・水道を利用する際は、入居するあなた自身が各事業者に連絡して開栓手続きを行い ます。特にガスの開栓は、事業者と立会いで行います。
また、現住所から新住所への住民票の移転、運転免許証の住所変更などの様々な手続きが必要に なります。
ご近所へのあいさつ
新たな場所で円滑な生活を送るためには、近所の方々との良好なコミュニケーションが必要です。 特に、アパートやマンションなどの集合住宅は、上下左右の部屋の人に引っ越しのあいさつをしておく ことで、居住者間のトラブル防止にもつながります。
修繕等の連絡
(1)部屋と設備は大切に扱いましょう
入居者には善管注意義務といって、入居中の物件を良好な状態に保つ義務があります。なお、入居 後に設備等の不具合を発見した場合や、雨漏り、漏水、その他設備に不具合が生じた場合は、まずは 応急処置をして大家さんまたは管理会社に連絡しましょう。
(2)故障や事故にならないように
- 排水口に油やゴミを流さない⇒排水管が詰まる原因になります
- 水漏れ事故は素早くすぐに水を止める⇒階下まで達してしまう恐れがあります
- ガス臭いときはすぐに窓開け⇒一酸化炭素中毒や引火による事故の恐れがあります
- 停電したらブレーカーを点検⇒送電トラブルで近所一帯が停電なのか、電気の使い過ぎで自分の住居だけの停電なのかを確認
- トイレが詰まったら絶対に水を流さない⇒便器の排水穴にラバーカップを密着させ、勢いよく押したり引いたりしましょう
入居中のマナー
- 犬、猫などのペットを飼うことは 、臭 い 、鳴き声、ダニの発生などで近隣住民に迷惑をかけることがあります 。
- 壁紙や畳を交換したり、造り付けの棚を造作する行為が契約で禁止されている場合、貸主の承諾なしに行うと退去の際に原状回復を求められますので 注意しましょう。
- ゴミ出しについてはお住まいの市区町村で指定されたとおりに分別し 、決められた収集の日時と場所を守って出しましょう。
- 集合住宅のトラブルで最も多いのが騒音です。生活音はある程度は許容しなくてはなりませんが、深夜のドアの開閉、入浴や洗濯なども心配りが必要です。また、テレビやステレオのボリュームにも注意しましょう。
- 集合住宅の共用廊下やエントランス(玄関)などの共用部分に私物を置くと、居住者の通行の妨げとなるばかりか、非常時には避難経路にもなりますので置かないようにしましょう。
- 機密性の高い建物では、室内と外気との温度差によって居室の壁や窓ガラスに結露が生じることがあります。放っておくとカビなどの発生原因となりますので、風通しや換気をマメに行い、結露が発生したら拭き取るようにしましょう。
退去が決まったら早めに連絡
契約期間の満了や他の事情によって退去する場合は、契約書で取り決めた期間までに解約の申入 のチ れを直接または管理業者を通じて大家さんに行います。また、退去予定日が決まったら、すみやかに 大家さんまたは管理業者に連絡します。
室内の清掃と不用品の処分
引っ越しが決まり、退去する際には、室内の清掃や荷物の置き忘れに注意してください。室内に持 ち込んだ私物については、引っ越し先に搬送したり処分するなどの手配をしておき、あとで処分方法 や費用について問題にならないようにします。
退去立会と原状回復
大家さんや管理業者の立会いのもと、部屋の状態が入居時に比 べてキズや汚れがどうなっているかを確認します。あなたの責任によって生じたキズや汚れがある場合には、その補修工事をするた めの費用を負担しなければなりません。これを原状回復といいます。退去立会などの際には、このような原状回復の取扱いを踏まえて、あなたがどの程度負担する必要が あるのかをよく確認することが大切です。
敷金の精算
部屋を借りる契約をした際に大家さんに預けていた敷金は、あなたが負担すべき原状回復費用 が差し引かれて、退去した後に戻ってくることになります。なお、預けていた敷金ではまかないきれ ない修繕が必要な場合には、原状回復工事後に不足分を請求されることになります。